B:精神症状
この章の領域では、DSM-Ⅳに記載されている精神疾患のほとんど全てについて説明していきます。後半には、臨床心理士試験では全く出題されていない疾患もありますが、そういったものは、逆に、これから出題される可能性があります。
下表を見ていただくとわかるように、解離や広汎性発達障害などの頻出分野と、不安障害のような極端に出題の少ない分野があったりします。しかし、これらの精神症状の知識は、事例や査定などの背景として出題されることも多く、精神症状に対する基本的な理解が前提となって、次章からの査定や心理療法が成立すると考えるべきものと思います。従って、たとえ出題頻度が少なくても、無視できるものではないと思います。
この章では、重要な疾患については、「この疾患は、一体なにか?」というイメージを大切にします。従って、生物学的な原因がかなり良くわかっている気分障害や自閉性障害などについては、そういうところを中心に説明し、原因が良くわかっていない統合失調症や人格障害のようなものについては、症状の理解と対象関係論などを引用した理解を中心に説明していきます。
なお、この章に関しては、心理臨床大辞典や心理学辞典はほとんど使用せず、以下の書籍を主に参考にしています。また、これらで見つからない知識は積極的にWebの情報を援用しています。最近改定した分以外は、いちいち出展を明記していませんので、気になる方はWebで検索してみてください。
【参考資料】
・DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引き 新改訂 高橋三郎ら訳 医学書院
・講座臨床心理学 3 異常心理学Ⅰ 下山晴彦、丹野義彦編 東京大学出版会
・講座臨床心理学 4 異常心理学Ⅱ 下山晴彦、丹野義彦編 東京大学出版会
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